++むっしゅーの『心を揺さぶるクラシック』++

自分らしく生きることに貪欲な
謎の音楽家『むっしゅー』から
クラシックの世界へ導いてもらいましょ。

●むっしゅーのプロフィール●
性別♂
職業・年齢ともに謎プー♪

  

op.1 カノン
op.2 弦楽のためのアダージョ
op.3 ディヴェルティメント
op.4 G線上のアリア
op.5 リベル・タンゴ
op.6 カヴァレリア・ルスティカーナ

 

■op.1 

   
暗闇の中に昇る朝日のように・・・神の差し伸べた手、究極の抱擁・・・。

カノン

by パッヘルベル

皆さんはじめまして。
今回から「リセット」をテーマに、著者の独断と偏見に肩まで浸ってしまった音楽と、想像力の現実逃避限界までを追求し、「日頃」という言葉を煙のように、あっさり消し去ってしまうような、かつ、日頃に一輪の花を添える音楽をご紹介できればと思います。「クラシックなんてみんな同じに聴こえる」とか「難しそう」と良く言われます。ここでは、基礎知識などまったく無視! 
曲のもたらすイマジネーションの中だけのお話をしていきたいとおもいます。

記念すべき第1回目は、パッヘルベル作曲 激烈王道 「カノン」です。
皆さんも1度は何かしら耳にしている何気ない音楽、その何気ない音の集まりの中に、その神の御手が差し伸べられているのです。「カノン」というのは、専門的には、輪唱の意を持ち、繰り返される旋律の中に、同じテーマを幾度となく、かぶせてゆく音楽的手法を指します。技術的なことよりも、皆さんには、印象、想像、逃避、という世界観で、聴いてていただきたいと・・・。繰り返すベースライン(低音部分)の上に、弦楽器の「言葉」が飛び交います。言葉は次第に緊張し、中間部でその緊張が一気に同じテーマとなって溢れ出します。その響きは、それぞれの楽器と共鳴し合い、響き達の中に「光」を見つけます。その光に包まれ、温かく抱擁される・・・。そう、パッヘルベルの描いた神の御手が心をやさしく包んでくれるのです。いつか見た遠い記憶を呼び覚ますような、神々しく美しい響き達が自然と心に染みわたります。毎日繰り返す何気ないひとつひとつの歩み、その繰り返しが疎ましく思える日々。忘れてしまった「光」。そんな想いが、繰り返す旋律の中に見えてくるはずです。どんな言葉より、大切なものをこの曲は伝えようとします。皆さんにとって大切なものをこの曲に重ね合わせてみてください。きっと素敵な「光」を見出すことができるでしょう。わずか12個の音が、生み出す想像の世界に私は心奪われます。音の響きは、決して目にはみえません。目に見えないからこそ想像力をかきたてられ、自分の素直な気持ちを自分自身に教えてくれるのです。日頃の生活で曇ってしまった心も、響きのやさしさに晴々とした気持ちになることでしょう。少し落ち込んだとき、朝をすがすがしく迎えたいとき、この曲を聴けば朝の光が、とてもかけがえの無いものに見えるはずです。

お勧め度  ★★★★★
眠たい度  ★★☆☆☆

  
  

■op.2 


氷よりも冷たい悲しみを癒すために・・・絶望のふちを共に歩こう

   弦楽のためのアダージョ

by バーバー

むっしゅーの独断と偏見のページ第2回目は、前回の「カノン」とは一変し、少々、悲しい曲をご紹介したいとます。この曲は、映画「プラトーン」の挿入曲として有名になり、この映画と共に人々の悲しみを誘いました。オリバー・ストーン監督の描く戦争の不条理、平和への願い、主人公の葛藤を見事にこの曲は表現しました。最近では「模倣犯」という映画の中でも使われています。何百年も前に作曲されたものが現代の人々の心を打つというのは、なんとも不思議な感じがします。昔の人も同じ想いを抱いたに違いありません。
終始、曲は短調の旋律を奏でます。静かな弦の響きが抑揚をつけ、次第に糸を張り詰めたようにまっすぐな緊張へ変わります。その緊張はまるで、涙があふれ出るほんの一瞬前を想わせるように悲しみの頂点へと昇り詰めてゆきます。傷を負った心から溢れ出す涙、耐えようの無い深い寂しさ。その悲しみを越えた瞬間、大きなため息と安堵が心の傷を癒してくれます。曲の静かな流れに自分を重ね合わせてみてください。音楽も同じように皆さんの心の中に自然と共鳴します。真っ暗な心がやさしく穏やかになってゆくことを体験するはずです。落ち込んだときに無理に明るい曲を聴くと気持ちが参ってしまいます。音楽は自分を理解してくれている親しい友人と同じです。嬉しいとき、悲しいとき、同じように音楽たちも喜び、そして、悲しんでくれるのです。音楽は言葉よりも人の心にやさしく響きます。単純な音のならびに隠れて音楽は皆さんを励ましているのです。

お勧め度  ★★★☆☆
眠たい度  ★★★★★


■op.3 

   
夏の日差しに軽い眩暈・・・木陰のベンチ腰をおとせば、いつもと違う風景・・・

ディヴェルティメント

by モーツァルト


久々の更新です。毎日蒸し暑い日が続きますが、夜の寝苦しさに悶々とうなだれる私にとっては、まさに夏は地獄です。クーラーなんかに頼ってみても、がたがたとうるさいので私にとって夏はどちらにしろ寝苦しい。安眠とは程遠いむっしゅーの第3段は、皆さんに少し暑さをしのいでもらえる快適な曲を選んでみました。
「ディヴェルティメント」。
舌をかみそうな名前ですが、実際の曲はとてもあっさりしています。モーツァルトが16歳で作曲。2回目のイタリア旅行からかえってすぐに書き下ろされました。イタリアへの旅行がモーツァルトにどのような影響を与えたのかわかりませんが、イタリアのまちが明るく爽やかで大変よい旅だったことがうかがえます。この曲の特徴は冒頭から終わりまで一貫したテンポにあります。クラシックには大概の場合、テンポの波があったりしますが、この曲はまったくテンポに変化がありません。指揮者によってはフレーズ感を出すために少々テンポを動かす場合がありますが、楽譜中にテンポを揺らす指示がまったくないのです。伸びやかなヴァイオリンのテーマから始まり、リズムを刻む低音楽器、それぞれが自分の役割を果たし、決して、訴えすぎないアンサンブル。木漏れ日のベンチに腰をおろし、爽やかな風が頬をなでてゆく。ふと辺りを見渡すと、案外気持ちのいい暑さだと錯覚してしまう・・・。そんなときにこの曲を心の中で思い出して聴いてください。間違いなく、口ずさんでしまいます(笑)。「日本の夏、○○チョーの夏」といいますが、日本人として夏を過ごす私たちにとって、この曲は、爽やかなヨーロッパの夏を感じさせてくれます。夏の情景が足並み軽く音楽に乗って流れてきます。今まで生きてきた中で何度目の夏でしょう?そして、あと何度、夏を過ごせるのでしょう?そんなこともノスタルジックに考えてみると、晩のビールがうまかったりするんですよ。

お勧め度  ★★★☆☆
さわやか度 
★★★★★

■op.4 

  
純白の光、透明な空気・・・ゆれる想い。
光の真中にあなたは何を見出すのだろう・・・。

G線上のアリア

by J.S.バッハ

夏の暑さも次第に和らぎ、いよいよ「〜の秋!」という、日本人がアグレッシブになる季節がやってきます。文化への想いが深まる知的な夜に、私がクラシックに目覚めるきっかけとなった曲を皆さんにご紹介したいと思います。この曲のおかげで今の私がいることは間違いありません。すばらしい曲です。
皆さんも必ず知っている「バッハ」は、宗教音楽に一生をささげた音楽家です。宗教音楽というと、難しい感じがする方も多いとおもいますが、バロックという時代の音楽は、音楽家が持つ技術を巧みに操り、楽譜の中の音符に推理小説のようなトリックを盛り込んだ楽曲が多くみられます。トリックに関してはまた別のときにお話するとして、この「G線上のアリア」というのは、バイオリンで言う「G」の弦「ソ」の線1本でメロディーラインが演奏できることから、「G線上のアリア」という名前が付けられました。あるバイオリニストが、G線で演奏できるように編曲したことが始まりだとされています。主旋律は、とても静かに流れて行きます。穏やかな川の流れの中、幸福に満ち溢れた光が今までの自分自身をすべて真っ白にしてゆきます。深い愛情に包まれた自分自身をもう一度感じることのできるそんな曲です。伴奏という川面をゆったり浮かんでいる主旋律。時に波のうねりが自身を苛むことがあるが、それは、一時のうねりにすぎない。永遠につながる時間のほんの一瞬に過ぎない自分自身の一生を、私は、この音楽の中に見出します。切なく、苦しいときも、一瞬のうねりに過ぎない。自分の悩みなど大河の一滴にも満たない。遠い昔の記憶をゆっくりとかみ締め、そんな風に自分自身の秋の夜長をすごしてみてはいかがでしょう?

真っ白度  ★★★★★
眠たい度  ★★★★★

■op.5 

  
秘めた想い、苦悩する欲望・・・。私はあなたの温もりをわすれない・・・。

リベル・タンゴ

by アストル・ピアソラ

今回は、クラシック番外編です。私の中で、アルゼンチンタンゴは、すでにクラシックではないと捉えているため、あえて“番外編”としました。映画「ブエノスアイレス午前零時」の音楽としても有名になったアルゼンチンタンゴ。その中から、最も有名な曲を選びました。皆さんもご存知とは思いますが、ヨーヨーマがサントリーのCMで演奏したことによって多くのファンをつかんだ名曲です。本来、踊りのために演奏されるタンゴをピアソラは「聴くタンゴ」として確立しました。クラシックの作曲を勉強していたピアソラが、故郷であるアルゼンチンの音楽に携わっていたいという想いから作曲しました。それによって、アルゼンチンタンゴは世界の音楽としての地位を確立したと言っても過言ではありません。踊る場合もあるようですが、ほとんどは演奏のみのコンサートが主流です。通常、バンドネオンというアコーディオンのような音色の蛇腹の楽器で演奏されるのですが、バンドネオンの哀愁ある音色とは違ったクラシカルな境地を、ヨーヨーマは見事にチェロで表現しました。曲は、嫉妬、苦悩、悲しみ、すべてが入り交ざったような激しい動悸から始まります。狂おしく想う自分の気持ちを押し殺して、冷静な主旋律が優雅さを装おうとします。しかし、完全に感情を隠し切れず、所々に心の焦りが見え隠れしながら、その想いを断ち切るかのごとく、どんどん鋭さを増す楽曲の勢い。深呼吸も今の感情を抑えるにはあまりにも微力な衝動にすぎない。ままならない気持ちを抑えきれない・・・。そう、私は、あなたの温もりが恋しい・・・。私は、この曲にとても切なくやりきれない想いを感じます。このホームページのイメージと少し違うような気がしましたが、誰しも苦しみや悲しみを怒りに任せてぶつけてしまいたいと思うことがあるはずです。しかし、プライドが自分を邪魔して平常を装い、「なんてことない」と自分にうそをつくものです。そんな人間性を表現したいわば、人を映す鏡のような曲です。

踊れる度  ★★☆☆☆
苦悩 度  ★★★★☆

■op.6 

  

安らぎの光・・・永久への憧れと共に紡ぎ続ける愛情の糸。安堵のため息の向こう側・・・。

歌劇「カヴァレリア・ルスエティカーナ」より間奏曲

by マスカーニ

クラシッ少々ご無沙汰してしまいました。皆さんに忘れられていそうですが、それでもむっしゅーは書き続けます!久々の今回は、マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲を紹介します。歌劇中の一節に使われた曲なのですが、曲があまりにも有名な為、私は曲だけで歌劇についてまったく知識がありません(汗・・・なんじゃそら〜状態ですが、あえて、今回は歌劇の内容は軽く、この曲から感じるむっしゅーの独断と偏見に満ち溢れた感性で、お話したいと思います。簡略ですが歌劇のあらすじは、とある戦争で軍隊を除隊した青年が、村の娘をめぐる争いに巻き込まれ、悲劇的な恋に落ちてしまうといったものです。この間奏曲は、舞台転換の間に演奏された曲ですが、あまりに美しい旋律に聴衆はこの曲を有名にしてしまいました。恋に落ちた2人が静かに手をとりあい、永遠とも思える満ちた愛情を決して失いはしないという強い想いと、それゆえの切ない想いに葛藤する様が見え隠れします。夢であったなら覚めないでほしい・・・そう思う2人の愛情は果てなく永遠とも言えるのです。曲は穏やかに流れ、弦のまっすぐな響きが、糸のように紡ぎだされ、落ち着いた低音に支えられたまま響いてゆきます。次々と終わりなく紡がれた旋律は、2人の恋を祝福するかのごとく、飛躍し、大空を舞う鳥のように自由に風の中を羽ばたき、そして、安らぎと安堵を手にします。これ以上の幸福がこの世に存在しないことを2人は確かめ合うのです・・・。この曲は、なんとマスカーニが25歳のとき、懸賞つきオペラコンクールに応募したのをきっかけに、世に出ることとなった曲です。今も昔も懸賞にはやられてしまうもんなんですねぇ(^^;メルマガが大量にきたりしてませんか?・・・私は大量です(爆・・・話を戻しましょう。私は歌劇の内容をまったく知りません。しかし、曲のもつ印象というものは、大きな創造を私に与えてくれます。皆さんが日ごろ何気なく耳にする音楽に耳を傾けてみてはいかがでしょう。この時期は、クリスマス曲が多くなります。その曲が聞こえると、クリスマスを実感する自分がいたりしませんか?除夜の鐘の音が聞こえれば、年の暮れを感じ、琴の音色が厳かに響けば、お正月。それは、曲や音がもたらすインスピレーションなのです。人にとって音楽というものは、感情や、思考を左右できるほど大きなものです。このページをごらんの皆さんは充分にわかっていらっしゃるとおもいますが、音楽は数ある芸術の中でも、本当に心に近い芸術なのです。

眠たい度  ★★★☆☆
淡い恋度  ★★★★☆


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●むっしゅーへのMail●

♪ここで流れている“カヴァレリアルスティカーナ”はこちらからいただきました♪

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